バスと横断歩道と見えない世界

点字ブロック

帰宅途中にオジサンと立ち話

帰宅途中、乗り換えのバス停で目の見えないおじさんがいた。

バスが入ってきたけど、ちょっと手前で停車。おじさん手探りでバスを探していて、少し危ない感じだったので「何番に乗るんすか?」と。行き先を聞いて、バスナビみて「あと10分くらいですねー」と言いながら、バスの乗車口の位置まで誘導したのがキッカケでちょっと世間話。

以下おじさん「オ」、とっちー「ト」。

ト:寒いですねー。でも週末は雪みたいですね。ホワイト・クリスマスかなー。
オ:若い人はいいですよねー。私みたいなオジサンには身を引き裂かれる思いです。
ト:ああ、僕もソコソコ歳なのでわかりますw

なかなかオチャメなオジサン。

オ:バスは『○○行きです』とか案内しないので、いつも運転手さんに聞いてるんですよ。
ト:ああ、そういや言わない運転手多いですね。ちゃんと言えばいいのに。
オ:いや、運転手というより、案内すると付近の住民から文句が出るんです。

そうか、そういう事もあるのか。

オ:マッサージのお店やってるんですが、家族が迎えに来てくれる時はいいんですけど、バスで帰るときは8時(20時)前に早々に切り上げるんです。
ト:え?そうなんですか??
オ:横断歩道の音が20時を過ぎると鳴らなくなるんですよ。
ト:あ、そういうことー。

全然気づかなかった。そういや夜中に鳴ってるイメージないなぁ…。それも付近住民への配慮らしい。

オ:私、昔は見えてたんですけど、点字ブロックなんか気にしなかった。でも、やっぱりこうなると大切だなとつくづく思います。
ト:ブロックに自転車があったりとか、けっこう酷い所ありますもんね。日本ってそういう意味では住みづらいのかなぁ?
オ:いや、日本はかなり整備されてるほうだと思います。海外行くと点字ブロックとかないですし。あと国民性かなぁ?みんな優しい。海外行くと思うんですが、仏教の国は思いやりの心があって優しいと感じるんですが、イスラム教の国なんかいくと、自分中心でほとんど構ってくれない。
ト:あー、そういう国民性とか宗教性もあるんですねー。

※あくまでオジサンの感覚の話であって「仏教がいい宗教」とか「イスラム教が悪い宗教」という意味ではありません。あしからず。

なるほど、日本はまだマシな方なのか…。なんかヨーロッパとかすごそうというイメージあるけど。

そして、バスが入ってきたのだが…また、バスが点字ブロックの乗車口の位置から大きく外れて停車(オイ!)。腕をひっぱって乗車口まで誘導。周りの人が「どうぞ、どうぞ」と道を開けてくれる。

なるほど、優しい。

 

そんなこんなで、視覚障がい者の人と話す事なんて滅多にないんだけど、ちょっと話を聞くだけで自分じゃ気づかない世界が日常にあるんだな…と実感。

付近住民への配慮と視覚障がい者への配慮。どっちが重いなんてわかんないけど、それなら何かそれに取って代わる両立できるような技術とかアイデアとかあればいいのに。

たとえばGPS搭載のイヤホンつけとけば、イヤホンだけにバスの接近情報が入ってきたり、横断歩道の音がなるとか。バス停くらいなら、携帯かざしたら到着時間が(携帯の音声程度で)案内されるとか出来そうじゃない?だれかプログラム作って、行政から予算出させて、やってみない?例えば福岡市の推定盲ろう者は230人くらいなので、専用機器作って配布するというのでもいいんじゃないか?もしくは機器を持って行き先を登録していたら、バスの運転手側にその情報が入ってきて、適時アナウンスできるとか。

当たれば全国で売れるぞw

とりあえず、自分でできる事は、点字ブロックの上に障害物を置かない事と、こういう人を見かけた時にすぐに手伝える「優しい日本人」でありつづけること位だな。

ただ、バスの運転手さん!視覚障がい者がバス停にいる時は、白杖を持ってると思うので、その時くらい音声案内してあげて。あと、点字ブロックの乗車口のポイントにしっかり停めたげて。これはバス会社のHPにでも投稿しとこ。

日常にも、見る角度(聞こえる角度!?)によって、世界が違うんだなぁーと改めて実感。なんだかちょっと勉強になりました。

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